月に寄りそう乙女の作法2.2(桜小路アトレ)
久し振りに心を揺さぶられまくって慄いてます……日中も焦燥感に駆られてソワソワしたのつり乙プレイして以来な気がする。懐かしい感覚だ。
アトレルート終わりました……最初終わった直後の読後感は混濁した泥って感じだったけど時間が経ってから思いを巡らせてみると二人が幸せなら良かったな……って不思議な感覚。
乙りろのときみたいな家族が一丸になって大団円!みたいなのではなく本当に禁忌犯したって感じだけど不思議と仄暗い気持ちに落ち込んだりはしなかった。本当に不思議。
でもアトレルートはパンドラの箱だよ。
始まった直後から鈍器で頭を殴られるような衝撃が立て続けに来るから動悸が止まらなくてびっくりした。
まず直後の演出で殴られ、エストに真実を告げたところで殴られて(才華クンも殴られた)、アトレを押し倒して拒否されたところで殴られて、衣遠伯父様の苛烈さが発揮されたところで殴られて、味方が誰もいなくなったところで殴られたって感じだった。
とにかく目まぐるしく状況が悪い方向へ変化していって心を揺さぶられまくった。
更に要所要所で心を深く抉る言葉が来て本当に死にそうだった……
アトレにしか欲情できないという設定は今の僕には危険すぎる。
「これがまた恋愛感情に葛藤した上で発情しているのであれば自分に同情できるけれど、僕がいま抱いている欲情の根源は、見苦しいまでに身勝手なただのフェチシズムだからなあ。」というモノローグで本当に死にたくなった……やめてくれその言葉は効く……
なんで才華クンこんな酷い目に遭ってばかりなのって泣きたくなったし今でもエストに桜小路才華だと明かすところは心臓がバクバクして見てられない……エストに軽蔑されるのが一番堪える……
でも本当に才華クンが臆病ならエストに本当のこと告げないと思ったし甘さはあるにしてもこの子は本当に芯の通った子だなって感動した。
そしてエストは本当に善い人間だと思った。
最初はどうなることかと思ったけど、自分の正義を貫いてそれでも才華クンと良い関係を築こうとするところは本当に誇り高いと思ったしエストがますます好きになった。
しかし才華クンが自分のありのままを出せるのはエストしかいないし、エストの素を引き出せるのも才華クンしかいないなって思った。ホント良い関係……
アトレルートは才華クンがアトレの中に情欲が目覚めるきっかけを作って会えない時間にお互いが情欲と恋情を膨らませて、それを言葉遊びみたいに確かめ合ってゆっくりとたぐり寄せるみたいな感じがたまらなかった。禁忌を犯す背徳感と熱量と湿気があってすごくえっちだよ。
アトレが一番すけべっぽい。爛れた関係最高。
あとあのつり乙フラッシュバック演出卑怯すぎる。普通に泣いた。
才華クンもアトレもやっぱりあの二人の子供なんだなあって感じてまた泣いた。
そういやアトレが才華クンに押し倒されるイベントで才華クンが大きく認識違いを起こしてるがわかるシーンがあったけど、思えばつり乙2ってヒロインも才華クン自身もなんらかの秘密や問題を抱えてるし、それらはその人と繋がりが深くならなければ決して表へ出てくることがないよね。
だから周回していくごとにキャラの印象も変わっていって本当に面白いなと思った。
そして才華クンの動き方次第でヒロインの在り方も才華クン自身の在り方も大きく変わっていくから、もしもこうだったらの世界の構築の完成度が高すぎる。
あとみんな何でもない風に過ごしてるけど業が深すぎるよね。
でもまあなんだかんだ言って才華クンって愛されてるなあって思ったよ。どのルートでも朔莉さんが手助けしてくれるしどのルートでもエストが見守ってくれてるし。
どこまでいっても才華クンは愛されボーイで安心した。
でもまあ最終的には才華クンの性的嗜好を歪ませたのはご両親のせいだし、ある意味才華クンも被害者みたいなところあるよね。桜小路家はもうだめだ。